衣類の形状や、購入前に施された加工によって、クリーニングで注意すべきポイントに違いがあることをご存知でしょうか。

意外にも知られていないこともありますので、クリーニングのご依頼品をお預かりする前に、今回はよくある冬物衣類に施された「加工」についておまとめいたしました。

①シームレス加工

ダウン衣料などのキルティング部分を樹脂を圧着させて代用した加工。圧着が剥がれると中のダウンが下に下がってしまいます。

②ボンディング加工

2枚の生地を(ボンドで)貼り合わせている素材。紳士物のコートでこの加工の品物をお預かりすることが多いです。
ボンドの貼り合わせが劣化すると、ブクブクとした浮きが全体に発生します。

③コーティング加工

浸透防水機能を高めるため、主に生地の裏側にビニール状の素材を貼り付けます。こちらは劣化が進むとポロポロと屑状に剥がれてしまいます。

④合成皮革

本革に似せて作られているもの。ポリウレタン樹脂を生地に使います。劣化が進むと剥がれてしまいます。
『劣化が進む原因』としては、着用による物理的作用・保管中の湿気・洗浄時の物理的作用などがあります。

【クリーニングでお預かり時のご注意】

これらの加工品の寿命は3年とも言われていますが、加工をされてから製品になるまで、どれだけの時間が経過したかは不明です。その間の保管状況によっては早い段階で劣化が始まります。
クリーニングでお預かりする際「去年は平気だったから」では難しい場合もあります。年々劣化が進んでいることをご理解の上、ご用命下さい。
尚、劣化によるクリーニング後の状態変化については当店では対応致しかねます。合わせてご理解の程、お願い申し上げます。